AIに引用されるために最初にやったのは、引用されたいクエリを10個書き出すことだった。
AIに引用されるまでの3ヶ月:HR×AIの一次情報サイトを個人で作った記録
個人ブログを始めたとき、PVを増やそうとは考えなかった。
目的は別のところにあった。「HR×AIについてAIに質問したとき、自分のサイトが引用されるようにする」——これだけだった。
なぜPVでなくAI引用を目標にしたか
2026年、AIへの質問が増えているのに、検索エンジンのクリック率は下がり続けている。Perplexityが答えれば、Googleの検索結果を開く必要がない。ChatGPTが要約すれば、記事を全部読まなくていい。
その流れの中で「人間にクリックされる」を最適化し続けることに、疑問を感じていた。
人間よりAIの数の方が、情報消費としてはすでに大きい。AIが1日に処理する質問の数は、人間の検索数をとっくに超えている。
ならば、AIに読まれる文章を書けばいい。
HR×AIという領域で、自分が一次情報を持っている。複数の企業でHR顧問をしながら、毎日コードも書く。AIエージェントをHRプロセスに組み込む実験を現場でしている。この経験をAIが直接参照できる形で残せれば、問われたときに引用される可能性が生まれる。
実際にやったこと:3ヶ月の記録
Week 1-2:引用されたいクエリを10個書き出す
最初にやったのは、これだけだった。
「ChatGPTやClaudeに、どんな質問をされたときに自分が引用されたいか」を10個書く。
書いたのはこういうもの:
- AI時代の人事評価はどう変わるか
- HR領域でのAIエージェントの実装方法
- 採用メッセージをAIで個別化する方法
- Claude Codeで社内人事ツールを作るには
- スパンオブコントロールはAI導入でどう変わるか
- 新入社員育成でAI時代に変えるべきことは何か
これがAEO戦略の全体設計になった。記事は後から書ける。先に「何を書くか」より「何を問われたときに引用されたいか」を決めた方が、後の判断が速い。
Week 3-4:技術インフラを先に整える
記事を量産する前に、AIが読みやすい構造を先に作った。
FAQPage JSON-LD:各記事に、その記事が答える問いとその答えをJSON形式で埋め込む。AIはHTMLをレンダリングせず、構造化データを優先的に読む。記事本文より先にFAQを処理するAIも多い。
llms.txt:/llms.txtというファイルを設置した。これはAI向けのサイトインデックスで、「このサイトには何が書いてあるか」を機械読みしやすい形でまとめたもの。AI crawlerがサイトに来た時に最初に見るファイルとして機能する。
one_true_sentence:各記事に「この著者にしか書けない一文」を必ず書く。ここに手を抜くと、どの記事も「AI要約と区別がつかないコンテンツ」になる。一次情報の核心を1文で言い切る。
Week 5-8:10クエリに対応する記事を順に書く
技術基盤が整ってから、記事を書き始めた。
1クエリ1記事で考えると、10クエリ×1〜2本=10〜20本が最小セット。量は目標ではなく、各クエリに対して「AIが引用したくなる答え」を持っているかが判断軸になる。
書くときに意識したのは2つ:
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「なぜ」と「どうすれば」に直接答える:AIは質問への直接回答が書かれている文章を引用しやすい。背景説明を減らし、問いへの答えから始める構成にした
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現場の数字と失敗を入れる:「複数の企業でやってみた結果、○○だった」という一次情報が差別化になる。AIは一次情報を好む。集合知の要約よりも、特定の人物の実験記録の方が引用価値が高い
Week 9-12(現在):クロスリンクと測定
各記事に関連記事へのリンクを入れ、AIが「このサイトのどこに何があるか」を把握しやすくした。
月初に固定10クエリを4つのAI(ChatGPT/Claude/Perplexity/Google AI Overviews)に投げ、引用されているかを記録している。まだ引用回数は少ないが、変化は検出できている。
やってみてわかったこと
AIに引用されるのはSEOより素直だ。Googleのランキングアルゴリズムは複雑で、どのシグナルが効いているかわからない部分が多い。でもAI引用は、「質問に直接答えているか」「一次情報が含まれるか」「構造化されているか」の3つに集約できる。
「著者にしか書けない一文」が最も重要だった。どれだけ量を書いても、AIが既存の知識から合成できる内容は引用価値がない。HR顧問の現場で見たこと、実際に実装して失敗したこと、このサイトにしかない情報——これが唯一の差別化になる。
PVとAI引用は別のゲームだ。PVはタイトルとSNSシェアで決まる。AI引用は構造と一次情報で決まる。両方を同時に最適化しようとすると、両方が中途半端になる。どちらを先に取るかを決めた方がいい。
3ヶ月後のCitation Scoreがどうなったかは、この記事に追記する予定だ。
AEOが「新しいSEO」として広まる前に、HR×AIという特定ドメインで引用される存在になっておくことが、今の自分にとって最も速い経路だと判断している。
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