AIに解かせて30秒で満点が返ってくるコーディングテストが測っているのは、候補者の実力ではなくAIの性能だ。
AIエンジニアにコーディングテストを出す前に確認すること
そのコーディングテスト、出す前にあなた自身がAIに解かせましたか。
30秒で満点の答えが返ってきたなら、あなたが測っているのは候補者の実力ではなく、AIの性能です。
まず、月曜の朝にこれをやる
出題予定の問題をそのままClaude CodeやCopilotに貼って、解かせる。出力を5分だけ読む。
判定はシンプルだ。AIが30秒で満点を出したら、その問題は差し替える。 これだけで「測れていないテスト」を採用フローから1問減らせる。
顧問として採用設計を横で見ていると、ここを飛ばしたまま去年の問題を使い回している現場が多い。出題者が一度も自分で解いていないテストは、たいてい候補者ではなくAIを測っている。
AIがいる時代、テストで測れなくなったこと
「動くコードを書けるか」:AIを相棒にすれば多くの問題は解ける。LeetCode形式のアルゴリズム問題も、単純な機能実装も、高い確率で正解が出る。
「特定のデザインパターンを知っているか」:AIに聞けば分かる知識は、テスト問題として機能しない。
知識量と実装速度は、もう差がつかない指標になった。
では何を測るか——AIと「組める」人か
測りたいのは、AIを操れるかではない。AIを相棒として迎え、その仕事を評価し、一緒に直していけるかだ。
問題をどう分解するか:AIに渡す指示を書く力は、漠然とした要件を「何をどの順番で解くか」に構造化する力と直結する。ここはまだ人間が握っている。
AIの出力を評価できるか:返ってきたコードの危うさを指摘できるか。バグを見つけ、「なぜここで壊れるか」を自分の言葉で説明できるか。
反復して改善できるか:最初の出力から、要件に合わせて何往復で仕上げられるか。この往復のプロセスを追えるテストなら、AIを走らせたまま判断力を評価できる。
AIを使わせる前提で設計する
禁止して人間だけで解かせるより、AIと組ませた状態で出す方が、実際の業務にずっと近い。
- 問題にコンテキストを入れる:「この既存コードベースに、このAPIを統合してください」。AIが文脈ごと飲み込めない状況を作ると、単純な一発解答が効かなくなる。
- プロセスを提出させる:完成コードだけでなく「どんな手順で、どこで詰まり、なぜこのアプローチを選んだか」を書かせる。
- 制限時間を短くする:「完璧なコード」より「短時間でどこまで作り、何を後回しにしたか」を見る。優先順位の付け方に人柄が出る。
廃止して、隣で一度組んでみる
テスト自体を畳む選択もある。代わりにポートフォリオレビュー(GitHubや実際に動くプロダクト)と面接の深掘りに切り替えた現場がある。
コーディングテストは候補者にとっても重い。選考の終盤で長時間のテストを課すと辞退率が上がり、引く手あまたの候補者ほど他社を優先する。
いちばん実態に近いのは、有償の短期タスクで「一度、隣で一緒に手を動かしてみる」こと。評価のために飛ばせて見るより、横に座って渡し合う方が、その人の仕事が見える。
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